もしも勤務先が倒産したら、社員はどうなるのか

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人は平等、されど、不公平なものです

人は皆、平等。これは、憲法でも保証されていますよね。
でも、決して公平ではありません。

特に、サラリーマンにとって、大きな不公平は、勤務先が倒産するかどうか、ではないでしょうか

勤務先の業績が順調であれば、少しずつでも昇給しますし、定年になれば退職金も出ます。会社によっては、国の厚生年金とは別に、企業独自の年金が用意されているところも有るでしょう。
ところが、倒産してしまうと、それらは全部、吹き飛んでしまいます。
それどころか、突然の失業によって収入が途絶え、人生設計が大きく狂うことになってしまいます。

退職金も無く、仮に有ったとしても、本来の金額には程遠い金額になるでしょう。定年までもらえるはずだった給料も途絶え、失業という大海原に放り出されるのです。
自己都合の退職と違って、雇用保険がすぐに支給されるという利点は有りますが、それだって、本来の給料の金額には遠く及びませんし、期限も有ります。

私の勤務先は倒産しました

私も、勤務先の倒産を体験しました。50歳の誕生日の3日前に、勤務先が潰れたのです。本来であれば、記念すべき50歳という人生の節目を、最悪な事態で迎えることになりました。

その時の私には、住宅ローンが有り、車のローンが有り、さらに、二人の子供は高校生と大学生で、とてもお金のかかる年ごろでした。

資格や技術も無い中年男の生きる道は?

勤務先が潰れる事態を迎えたとき、やはり一番の心配は、生活費をどうするかでした。子供たちの学費はどうするか、住宅ローンを払い続けられるのか、始まったばかりの車のローンはどうしたら良いのか。

突然に襲ってきた最悪の事態に、いろいろともがき、何とか生きていく道を模索しました。

このブログの視点

企業の倒産や民事再生について、弁護士の視点で解説したブログは多く有りますが、今回のブログは、実際にその会社に勤務していた社員が、いったいどうなっていくのか、いったんつぶれた会社は、消えるのか、それとも再生するのか、などを、会社の中の当事者の目線で書いていきたいと思います。

新型コロナによって受注が激減した中小企業や、来客が極端に減った飲食業などに勤務する社員の方々が、もし勤務先が潰れたりしたら、どうなるのだろうという不安を、多少なりとも解消できるブログになれたらよいと思います。

私が勤務する会社は、破産ではなく民事再生を選びました。ですから、民事再生はどんなものなのか、民事再生を行った会社の社員の気持ちや、注意する点なども、経験した社員の目線で伝えたいと思います。

民事再生って、何?

私が勤務する会社は、破産ではなく、民事再生を選びました。
民事再生とは、実情は倒産と変わり有りませんが、倒産や破産のように、その時点で会社が終わってしまうものとは異なり、会社が継続して営業できるようにするものです。

裁判所に民事再生を申立てして、受理されれば、そのまま事業を継続できます。例えば製造業であれば、顧客の注文はそのまま受け付けて、製造・納品が出来ます。

民事再生の場合は、仕入れ先や金融機関に対して、本来支払うべき金額のうちの数パーセントから数十パーセントを支払うので、残りは勘弁してください、と宣言するものです。

何パーセントを払うのかは、その会社の状況によってまちまちです。ちなみに私の勤務先は、15パーセントでした。例えば、支払うべき金額が1,000万円有る仕入先に対して、その内の150万円だけ支払うから、残りの850万円は免除してください、ということです。

民事再生が成立するかどうかは、会社側の提案を、債権者側(仕入先や借入先の銀行など)が、受け入れてくれるかどうかにかかっています。方法としては、債権者の投票によって決まります。ただ、もし認められなければ、あとは破産になるのですが、そうなると、債権者としては、回収できる金額はほぼゼロに近くなるので、ある程度の支払い提示が有れば、破産よりはマシだと判断して、たいていは認められると思います。

弁護士の見解と現実

民事再生は、弁護士に手続きを依頼することになります。
弁護士さんいわく、民事再生は事業を継続する方法なのだから倒産ではない、ということなのですが、実際は、本来支払うべき金額のうちのわずかしか支払わないで終わりにしよう、というものですから、やはり世間の目は、実質は倒産ということになると思います。

あくまでも世間の見かたとしては、倒産した会社が何とかして再建しようとしている、という感じだと思います。

スポンサーを付けた民事再生

会社が継続すると言っても、本来支払うべきものを支払えないから民事再生を申立てしたわけですから、社会的な信用は、大きなマイナスを背負ったことになります。

私の勤務先は、本来支払うべき金額の合計の15パーセントを支払うことにしました。しかし、民事再生を申し立てる前は、手形で何カ月にも分けて支払ってきた分の合計の15パーセントですから、大きな金額です。
また、銀行の借り入れなどは、5年ローンとか、場合によっては10年ローンで借りているわけですから、その残っているすべての合計の15パーセントと言えば、とても大きな金額です。

ですから、民事再生を申立てした時点で、債務の15パーセントを払うお金など有りません。

そこで、どうするかと言えば、多くの場合は、スポンサーを募ることになります。
平たく言えば、スポンサーとなる企業に会社を買ってもらって、そのお金で15パーセント分を支払います。そして、スポンサーになってくれた会社の資金と信用力で会社を再生しようということになります。

もちろん、スポンサーは付けなくて、自社独自で民事再生を行うというパターンも有ります。それもまた、別のメリットのある方法です。ただ、独自で行う方法は、スポンサーを募る方法に比べると、いささか大変な面が多いため、現在は、スポンサーを募るケースが多いと思います。

民事再生にも苦労はつきものです

民事再生という方法は、会社が継続するので、従業員にとって、職場が失われないというメリットが有ります。少なくとも、突然無職になってしまうという事態は避けられます。

ただ、ほぼ倒産と言える状況から再起しようとするわけですから、経営者だけではなく、従業員にも、なかなか過酷な状況を迫ることになります。 このあたりは、また次回以降のブログでお話ししたいと思います。

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