民事再生の成功には、スポンサーの存在も重要となる

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民事再生のイメージと実際の違い

民事再生とは、平たく言えば、倒産して消えてしまうはずの会社を、裁判所の力を借りて、もう一度再生して、事業を継続する、ということになります。

ですから、法律的には、倒産はしていない、と言えます。

しかし、世間の目から見れば、倒産と見られることには違いはありません。昔は、会社が倒産した後、奥さんを社長にして、同じ場所で同じ仕事を始めるというケースがしばしば見受けられましたが、それの現代版のようなイメージかも知れません。しかし、法律的にはまったく違います。

つまり、いったん途切れたものを、もう一度始めるのとは違って、民事再生は事業が継続するという内容になっています。

民事再生には、二つのタイプが有る

民事再生には二つの形が有ります。一つ目は、スポンサーを付けて再生する、スポンサー型の民事再生です。これは、現在の民事再生では、主力となっている方法です。いわゆるM&Aのような形で、他の会社に資金を出してもらって再生するというものです。

二つ目は、スポンサーを付けずに、自社のみの自力再生型です。中小企業の中でも、それなりの規模の有る会社とか、または、特別な技術が有って、その会社を取り込むことによって大きなメリットがあると判断されるような会社であれば、スポンサーが現れやすいのですが、一般的な中小企業の場合は、なかなかスポンサーが現れないということも多いものです。

そのような場合は、何とか、自力再生ができないかを検討することとなります。

外注先や仕入先で、民事再生になったために、いったん支払いをストップしている会社は、債権者であるわけですが、スポンサーを付けた民事再生の方が、債権者からの信頼を得やすいということは有ります。ですから、おそらく、民事再生の申立てをお願いした弁護士さんからも、スポンサーを募集したほうが良いですよと、言われると思います。

M&Aの仲介専門会社を使う

そこで、今回は、スポンサーを付けたタイプの民事再生についてお話ししたいと思います。

スポンサーを付けるという意味は、イメージとしては、「弊社は民事再生を申し立てました。ついては、弊社を買ってくれる会社は有りませんか」という感じです。

スポンサーは、社長の知り合いなどから探しても良いのですが、手っ取り早い方法が、M&Aの仲介専門の会社に依頼することです。それらの会社は、幅広いネットワークを持ち、また、多くの企業情報を有しています。ですから、短期間でいくつものスポンサー候補の会社を紹介してくれます。

ただ、大きな問題も有ります。それは、仲介料がなかなか高価であるということです。

仲介料は、仲介する会社によってまちまちですが、5パーセント前後が一般的でしょう。例えば、2億円で売却すれば、1千万円が仲介料ということです。しかも、売る側、買う側の双方から貰えるのですから、なかなか良い商売です。

ただ、やはり、ネットワークが広いことと、事前に会社内容の調査をしてくれて、その資料を基にスポンサーを募集してくれるので、そう言った費用を含んでいるということでしょう。

民事再生は、債権者の同意を得ることも大事ですが、再生計画を裁判所に認めてもらわなければなりません。その点でも、スポンサー企業が付くということは、大きなメリットとなります。

M&A仲介専門会社とスポンサーについて

M&Aの仲介専門会社ですが、その数は、結構多く有ります。手数料や対応もいろいろですので、ネットで調べてみて、これはと思うところを何社か当たってみて、比較することをお勧めします。

着手金や中間金が必要な会社も有りますし、月額の手数料がかかるところも有ります。また、途中にはまったく費用がかからず、完全成功報酬をうたっている会社も有ります。

いずれにしても、手数料の金額が大きくなるために、手数料ばかりに目が行ってしまいがちですが、やはり重要なのは、良い相手を紹介してもらえるかどうかではないでしょうか。

それと、売却額も重要ですが、買い取った相手が、自分たちの会社をどのように扱おうと考えているのかも、大切な要素となります。

スポンサーになる意図を見極めることも必要

スポンサーになりたいと手を挙げてくれた会社の中には、こちらの顧客を引き継いでしまったら、買い取った会社は、さっさとつぶしてしまう、などというケースも有ります。そうなったら、せっかく民事再生によって従業員の職場を失わないで済むと思っていたのに、残念な結果になりかねません。

そういう意味では、スポンサーを募集することは、民事再生を円滑に進めるためには効果的な方法ですが、スポンサーになる企業の考え方によっては、おいしいところだけを吸われて捨てられるということも有りうるので、もろ刃の剣と言えるかもしれません。

いずれにしても、民事再生を行なおうと考えているときは、会社が潰れそうな心配をしている最中ですから、心にゆとりが無く、つい、焦ってしまいがちですが、そこは、落ち着いて、新しい未来を描けるように進めていくことが重要だと言えるでしょう。

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