民事再生の申立て後、最初にやるべき大切なこと

もとブログ

この記事は広告・プロモーションを含んでいます

民事再生成功のための第一番のキーポイント

前回のブログ「会社が民事再生になったときの従業員の立場」では、民事再生の初日までを書きました。

今回は、民事再生を申し立てた後2日目から、やるべきことやキーポイントなどを書いていきたいと思います。

なお、前回のブログでも言いましたが、このブログでは、民事再生の法律的なことではなく、実際に私が体験した事例をもとに、こうすればスムーズに行く、というような、民事再生でのお役立ち情報という内容となっています。

さて、電話や来客に追われる怒涛の第1日目が終了し、前日の疲れで休みたいような気持のまま2日目を迎えます。疲れで休みたいような気持を、グッとこらえて出社します。

2日目には、必ずやるべき大切なことが有ります。民事再生の申立て後、実務として最初にやるべきことです。それは、仕事を進める上で、絶対に必要な取引先を回って、今後も継続して取引をしてもらうようにお願いすることです。
これはお客様よりも、仕入先や外注先を最初に回ることが大切です

仕入先や外注先の協力無くして仕事は成立しない

民事再生がスタートしてから、お客様から継続して注文をもらえた場合でも、仕入先や外注先が取引きしてくれなければ、製品を作ることが出来なくなります。ですから、仕入先や外注先に、これまで通りの仕事をしてくださいと、お願いするわけです。

私は担当の弁護士さんと一緒に回りました。

弁護士と一緒に、民事再生の申請に至ったことのお詫びと、引き続き取り引きしてほしい旨のお願いをします。

そうは言っても、本来支払うべきお金を支払っていないのですから、今後の支払いをどうするのかについての打ち合わせが重要です。

当然ですが、この日からは、仕事をしてもらった分の代金は、現金支払いということになります。

支払い交渉の重要性

相手によっては、前金でもらわなければ引き受けない、という会社も有りますし、納入する商品と現金引換えが条件だという会社も有ります。

こちらとしては、迷惑をかけているのですから、出来るだけ先方の要望に応えたいところですが、気前よく支払っていたら、民事再生当初の必要資金として準備していたお金が、すぐに尽きてしまうのは間違いありません。

ここでは、出来るだけ後払いになるようにお願いをします。

例えば、現金で支払うけれども、月末締め切りの翌月末現金支払いにしていただけないか、というような交渉をします。

こちらの要望を呑んでくれる会社、絶対に呑まない会社と、反応はいろいろです。ここでは、まず取り引きしてもらうというのが第一ですから、あまり無理強いはしないようにします。

距離が遠い取引先は、とりあえず電話でお願いしました。大半の取引先が前金か現金引換えで取引継続を了承してくれましたが、1社だけでしたが、絶対にお断りという会社が有りました。その場合はやむをえず、同じような仕事をしてくれる別の会社を探すということになります。

一般的な話ですが、取引金額が大きい会社は、基本的には、取り引きを継続してくれると思います。なぜなら、先方にとっても、その売り上げが無くなると、商売上困ることになるからです。

民事再生になってみると、潰れる前の、日ごろのお付き合いが大切だなと、つくづく思います。

民事再生とは、潰れた後も会社の業務を継続するという方法です。ただし、法律上で、民事再生を申請します、というだけではダメで、仕入先や外注先、それにお客様から、「よし、協力してやろう」と、思ってもらわなければ、成り立たないものだと思います。

民事再生成功のための二つ目のキーポイント

民事再生の申立てをし、それを成功させるためのキーポイントの第二番目は、途中で資金不足にならないようにすることです。

民事再生を申立てしようという状態に行きついた会社の状況のほとんどは、銀行やファンドからお金を借りられるだけ借りて、いよいよそれが返せなくなって、万歳をしてしまう、というパターンが大半だと思います。

民事再生を申し立てると、過去の借り入れ分の返済は、債権者との合意の後で裁判所の認可が出てからの返済となりますから、まずはいったん、月々の借入金の返済が無くなります。

ですから、借入金の返済が無いということは、月々の資金繰りはすごく楽になるわけです。もはや、資金繰りに悩む必要など、皆無だと思われることでしょう。

ところが、意外にも、資金繰りに悩むことになるんです。

民事再生以前とは違った資金繰りが必要

まず、支払いが現金になります。それまでは、支払いに手形を使っていたとすると、現金を用意しなければならない手形期日までに、3ヶ月とか4ヶ月という余裕が有ったのですが、いきなり、現金を用意しないと仕入れが出来なくなってしまいました。

しかも、販売先であるお客様の方は、こちらが民事再生を申請したからと言って、現金引換えで商品を買ってくれたりはしません。これまで通りの取引条件での支払いです。

ですから、民事再生というものは、手元に現金を用意してから申請しないと、成り立たないものなのです。

現金についての注意と、銀行との付き合い方

民事再生申請後に使うために用意した現金は、借入のある銀行の口座に入れておいてはいけません。民事再生を申請したとたんにそのお金は凍結になり、引き出せなくなってしまった後、過去の借入の返済金に充当されて、銀行のものになってしまいます。これは、裁判所の認可が出るまで返済しないという分とは扱いが違いますので、注意しなければなりません。

不思議なもので、借入の無い銀行の口座に入れておけば、そのお金が取られることは有りません。ですから、銀行とのお付き合いというものは、どんな小さな会社であっても、2行とか3行とお付き合いしておかなければなりません。最低でも、その内の1行は、借入の無い銀行にしておくことが重要です。

民事再生は、自力型とスポンサー型が有る

民事再生は、自力再生と、スポンサーを付けての再生の、二通りが有ります。

今では、スポンサーを付ける方が主流ですが、独自で出来ないことは有りません。 スポンサーを付けた民事再生については、また別のブログで、あらためてお話ししたいと思います。

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました