会社起業の準備から立ち上げ方まで。起業の手順、必要な手続きを徹底解説

もとブログ

                           この記事は広告・プロモーションを含んでいます

起業の準備は、何から初めて、どんな順番で手続きをすればよいのかを、分かりやすく解説します。
今回のブログの内容は、前半では、会社を新規に立ち上げる際の、事務的な手続きや、役所で必要な費用について解説します。
会社の登記関係ばかりに気が行って厚生年金・健康保険や労働保険などの手続きを忘れてしまわないようにしなければなりません。

後半では、会社を作って運営するために必要な事柄やスキル、ノウハウについて、解説していきます。

私は、起業して現在14年目に入っています。私自身の経験と反省をもとに、効率的な起業のしかたから、失敗しない運営方法まで、経験者だからこそお伝えできるノウハウを書いて行こうと思います。

会社を作る際に事務的な手続きが必要なもの(1~7番の順で手続きしていきます)

1.定款の作成及び公証人役場で定款の認証を受ける

2.法務局で新会社の設立を登記申請

3.あらかじめ準備した資本金を会社の口座に移動

4.税務署に法人設立届出書を提出

5.税務署に給与支払い事務所開設を届け出

6.年金事務所で厚生年金及び健康保険の加入手続き

7.労働監督署にて労働保険に加入(従業員を雇う場合)

1~6番までは、社長一人で運営する会社であっても必要なものです。
7番は社長一人だけの会社の場合は不要です。

定款を作成する 

定款とは、会社の憲法のようなものです。設立した会社がどんな業務を行うかは、定款に書いておかなければなりません。定款に書いて有る業務以外の業務を行おうとする場合は、定款の変更を届け出なければなりません。

定款の絶対的記載事項

定款を作成する場合、絶対に書いておかなければならないことを、絶対的記載事項と言います。それは、以下の内容です。

  • 事業の目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 資本金額
  • 発起人の住所及び氏名

この5つの事項は、必ず記載することとなっています。

その他に、相対的記載事項と任意的記載事項が有ります。実際の定款の書き方の例は、ネットでも容易に入手できるので、それをマネして、自分の会社に合うように作って行けば良いと思います。

定款作成時の注意事項

一つだけ注意したいことは、事業の目的です。これは、新会社がどんな事業をするかを記載するのですが、最初はやらないけれども、将来はやるかも知れないという事業が有れば、最初に書いておくことが大切です。

会社というものは、定款に書いた事業以外をやってはいけないので、まだ夢の段階だとしても、将来やるかもしれない、という事業は記載しておきましょう。後で追加することも出来ますが、そのたびに変更申請の費用がかかることになります。

定款作成を司法書士に依頼する人も多いようですが、ネットで見本を入手できますし、会社設立手続きを書いた本を1冊買えば、見本が載っていますので、自分で作成することはそれほど難しくありません。ぜひ自分で作成することをお勧めします。

定款は同じものを3通作成して公証人役場に提出します。その内の1通は公証人役場に保管されます。残りの2通は返却され、その内の1通は「謄本」と朱印されていて、法務局に会社設立申請時に提出するものとなります。残りの1通は会社保管用とします。

定款認証の費用

定款は公証人役場で認証を受けなければなりません。このときの費用は下記のとおりです。

認証手数料(資本金によって異なります。納付は現金です)

・資本金1,000,000円未満:手数料=30,000円

・資本金1,000,000円以上3,000,000円未満:手数料=40,000円

・資本金3,000,000円以上:手数料=50,000円

収入印紙代:40,000円

定款の謄本:1ページに付き250円(おおむね8枚くらいで2,000円程度)
定款の謄本は、法務局に会社設立の登記申請の際に必要になります。

会社の本店所在地をどこにするか

会社登記する際、本店の住所を書かなければなりません。

自宅を会社の住所にするのであれば問題ありませんが、もし、賃貸でビルの一室などを借りて会社の本店とする場合は、まず、個人名で借りておいて、会社の登記が完了したら、不動産会社に依頼して、会社契約に変えてもらわなければなりません。

あらかじめ、借りる際に、不動産会社にその旨を話しておく必要が有ります。

改訂2版 最新 いちばんわかりやすい 会社のつくり方がよくわかる本 [ 原尚美 ]

価格:1,628円
(2023/1/27 14:15時点)
感想(0件)

法務局で会社設立登記申請

会社の実印の作成

法務局に登記申請をする際、会社の実印登録も行いますので、会社の実印にする印鑑を事前に作成しておく必要が有ります。

会社の印鑑を作成する場合、印章店に行けば、どんな大きさが良いかなどは説明してくれますので、あとは、どんな素材を使うかによって、値段が違ってくる感じです。

会社を設立する際の必要な印鑑類ですが、最低、実印として使う丸型の印鑑と、会社の住所・会社名・代表者氏名が入った、横長のゴム印が必要です。それともう一つ、会社名だけの四角い印鑑が有ると良いと思います。横長のゴム印は、銀行の融資を受けたりする際に、このゴム印が無いと、ちょっと大変ですので、必ず作るようにしましょう。四角の印は1辺の長さが2センチくらいで、請求書や領収書などに押します。

会社設立のガイド本を見ていると、他に銀行印も作ったほうが良いと書かれていることが多いですが、実印と兼ねれば良いだけですので不要だと思います。

それよりもむしろ、横長のゴム印で、代表者名を抜いて、代わりに電話番号を入れたものをもう一つ作っておいた方が役に立ちます。パンフレットに押したりするようなときに、有ると便利です。

法務局での法人登記 

定款の認証が済んだら、法務局で設立登記を行います。

法務局での登記とは、定款で会社名や事業の目的を定めましたので、これを法務局に登録して、誰でも見れるように開示する手続きとなります。

手続きとしては、法務局のホームページから、「商業・法人登記申請書様式」をダウンロードして、書いて持って行きましょう。特に難しい項目は有りません。

法務局では、会社の実印登録もいっしょに行います。

法務局への訪問は、いきなり訪ねるのではなく、あらかじめ電話をして、予約を取って行くようにします。初めてのことなので、戸惑うかもしれませんが、今は法務局の人も親切に教えてくれるので、分からないことは質問して進めればよいと思います。

登記申請が通ると、登記を申請した日が会社の設立日となります。特に縁起を担ぐ必要も無いと思いますが、大安を選んで登記申請する人も多いようです。

登記のための費用

法務局に会社を登記するためには、登録免許税を支払わなければなりません。その金額は、資本金の1000分の7ですが、その金額が15万円に満たない場合は、15万円となります。たいていの場合は15万円と覚えていて良いでしょう。

手続きを済ませると、登記完了の予定日を書いた用紙を渡されます。

予定日になったら法務局を訪問して、印鑑登録をした印鑑カードを受け取ります。この印鑑カードが有れば、法務局の中にある受付機を利用して、会社の登記簿謄本(登記全部事項証明書)や印鑑証明書の申し込みが出来ます。

税務署や銀行の口座作成などで必要になるので、それぞれ5部ずつ取得しておきましょう。

窓口申請で取得する場合
登記全部事項証明書:1通600円
印鑑証明:1通450円

各5部取得した場合:合計5,250円

他に、オンライン申請も可能で、その場合はもう少し安くなります。ここでは、急いで取得したいので、窓口取得の例を書きました。

法務局でかかる費用

  • 登録免許税:15万円
  • 謄本等取得費用:5,250円

なお、謄本等の取得費用は改訂される場合も有りますので、その都度、法務局のホームページなどを確認したほうが良いと思います。

銀行口座の開設 

謄本や印鑑証明が取得出来たら、それを持って銀行へ行きます。謄本と印鑑証明を各1通渡して、会社の銀行口座を作ります。そして、代表者個人の口座に入れておいた資本金を会社の口座に移動します。これで資本金の処理が完了しました。

通帳に資本金が入金したと記帳されることが大切です。

資本金は入金したまま飾っておくものではなく、会社の備品購入やガソリン代などの様々な経費に使って問題ありません。

官公庁への届け出 

会社の登記が完了したら、次は官公庁への届け出をしていきます。

税務署への届け出

まず、税務署に、「法人設立届出書」を提出します。設立日から2か月以内に届ける必要が有ります。

他にも税務署に届け出するものが有ります。それは、下記のとおりです。

税務署に提出
・青色申告の承認申請書
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・棚卸資産の評価方法の届出書
・減価償却資産の償却方法の届出書
・消費税課税事業者選択届出書

都道府県税事務所に提出
・法人設立届出書

市町村役所への届け出
・法人設立届出書

税理士事務所と契約する 

税関係での届け出書類だけで、上記のように多数あります。これだけ有ると、すべて自分でやるのは、なかなか大変な作業です。

そこで、税理士事務所と顧問契約を結ぶことをお勧めします。

たいていの税理士事務所では、設立1年目の企業に対して、最初の1年間だけ割引金額で対応してくれるところが、けっこう多くあります。

株式会社ですと、普段の経理処理も複式簿記になりますので、詳しい人に質問したい場面は多くあります。

私の場合は、設立して間もなく、税理士事務所と契約しました。「法人設立届出書」は自分で作成して税務署に持って行きましたが、それ以外の税務署関連の書類は、すべて税理士事務所さんにやっていただきました。
顧問料は1年目は割引きで、毎月が1万円+消費税で、決算処理が8万円+消費税でした。
たいていは、安いのは1年目だけで、2年目以降は倍くらいになります。

年金事務所への届け出 

税務署関連が済んだら、次は年金事務所です。厚生年金と健康保険の手続きとなります。社長一人の会社でも、この手続きは必要です

前項で説明した、税理士事務所との契約をした場合でも、年金事務所や労働保険加入は、自分で手続きしなければなりません。仮に外部に依頼する場合は司法書士となりますが、決して難しいことではないので、自分で手続きすることをお勧めします。

提出する用紙は、年金事務所のホームページからダウンロードします。もし分からなければ電話して聞けば、親切に教えてくれます。もし奥さんが専業主婦の場合は、第3号被保険者の届も忘れないようにしましょう。

厚生年金、健康保険は、半額が社員負担、もう半額が会社負担ですので、会社で支払うときは、結構大きな金額になります。

労働保険の加入 

社員を雇わなければ必要ありませんが、1名でも社員を雇う場合は、労働監督署で労働保険の加入手続きが必要になります。1年分をまとめて支払うので、社員を多く雇うと、なかなか大きな金額になります。

起業の準備について 

これまでは、新規起業に必要な事務的な手続きについて説明してきました。

ここからは、どんな仕事をして、どのような規模の会社を作るかということについてお話ししていきたいと思います。

起業に必要なスキルとは

新しい会社を作るにあたって、入門書などを読むと、たいていは他社にないサービスや他社と異なるアプローチをしましょう、ということが書かれています。自分独自の新しいものを生み出せれば、それが市場に受け入れられるかどうかだけですから、あとは見せ方をどうするか、ということが重要になるでしょう。

しかし、起業する場合、必ず新しい技術や新しいサービスが無ければできないということではありません。

世の中にあふれている、どこにでもある仕事で起業して、うまく利益を上げている会社はいくらでも有ります。

よそに無いような技術やサービスが有れば、かなり有利かもしれませんが、世の中に無かったわけですから、それがお客様に必ず受け入れられるかどうかは、やってみなければ分かりません。

しかし、世に中にあふれているような仕事なら、それがどれくらいお客様に必要な仕事なのかは、想像がつきます。ですから、ある意味、新規事業としてはやりやすいとも言えます。

ありふれた仕事に、ちょっとした工夫を付け足すという方法は、新規起業の手段としては、意外に手堅い方法と言えるでしょう。

付け足す工夫の一例

例えば、ありふれた商品を取り扱っているけれども、納期管理は徹底して、決して漏れが無いように管理します。というのも一つの方法です。

他にも、もし、品質管理に自信があるなら、品質チェックを徹底して、不良品対策は自信が有ります。ということでも良いでしょう。

プラスアルファの部分が、お客様が困っている部分であれば、意外に注目してもらえるものです。

技術を売りたい人は「ココナラ」を使う手も

スキルのフリーマーケットと呼ばれる「ココナラ」ですが、サイトを見てみると、ホームページを作成します、とか、動画作成やイラスト作成を請け負う人も多くいます。

もし、自分が持つ技術を売りにして新会社を立ち上げたいという人は、ココナラに登録して自社の技術を、ココナラ経由で販売するのも、選択肢の一つだと思います。

会社設立の準備 

事業計画書の作成

どんな仕事で起業するかの案が決まったら、あとは、会社設立の準備となります。

官公庁に届けるものとは別に、会社を作って運営していく上で、必ず作っておきたいものが、「事業計画書」です。事業計画書とは、どんな仕事をして、どんな風に儲けるか、その仕事をするためには、何を準備するのか、などを書きます。

法務局に届ければ会社はできますが、その会社で何をやって利益を上げるのかがはっきりしていなければ、会社は続きません。

何かの商品を販売するのか、または、自分が持っている技術を売るのか。またその売り方は、実際に店舗を構えて販売するのか、それとも、ネットで集客するのか、など、一口に起業すると言っても、さまざまなやり方が有ります。

事業計画書の書き方

どんな仕事をする会社を立ち上げるのか、社員は何名か、販売計画はいくらか、など、自分が作ろうとする会社の具体像を描いていきます。

書き方については、私のブログ、「新規起業では、まず事業計画書の作成が重要です」に詳しく書いていますので、そちらをご確認いただければよいと思います。

事業計画書は、自分自身が会社を運営していく上での指針となりますが、もし、銀行から運転資金などの融資を受けたいと考えている場合は、事業計画書が融資の判断資料になりますので、しっかりしたものを作成しましょう。

銀行との付き合い方

銀行融資について

銀行から運転資金の融資を受けたいと考えている場合は、お住いの県や市が創業資金の融資を行っているケースが多いので、それを利用すると良いと思います。いずれも、銀行が窓口になりますので、資本金を入れた講座を作った銀行の担当者に相談してみると良いでしょう。

創業資金というのは、意外とすんなり借りられます。しかし、半年とか1年過ぎて、やっぱりお金が足りないからと言って融資の申し込みをしても、受け付けてもらえないケースも出てきます。それを考えると、創業資金が借りられるときに、余裕を持った金額を借り入れした方が良いと思います。

銀行の選び方

どんな銀行と取引したらよいかということですが、おすすめは、信用金庫か地方銀行です。特に信用金庫ですと地域密着型の営業をしていますので、規模の小さな会社でも、いろいろと相談に乗ってくれると思います。

その他のチェックポイント

資本金はどれくらい必要か

現在の会社法では、資本金は1円でも大丈夫ですが、実際に1円ですと、会社の備品の一つも変えないことになりますので、現実的ではないと思います。できれば、200万円くらいは用意しておくことをお勧めします。自己資金が1円ですと、銀行の借り入れにも支障が出る可能性が有ります。

展示会の活用

市町村などの自治体や商工会議所などのホームページをチェックしていると、展示会や見本市などの案内を見つけることが有ります。商品を販売する場合、展示会などを利用するのも良い手段だと思います。

場合によっては、自治体が、展示会の出店費用の一部を補助してくれるような制度も有ったりしますので、うまく活用しましょう。

自治体の創業支援制度

県や市などの自治体では、新規起業を支援してくれる窓口が有るケースも多いです。皆さんのお住いの市や県名で、創業支援と検索すると、見つけられると思います。それらは、たいていの場合、事業計画書の作成なども手伝ってくれるケースが多いので、もし見つかったら、ぜひ相談してみましょう。プロが手伝ってくれた事業計画書は、やはり出来が良くなりますので、融資もスムーズに進みやすくなります。

以上、新規会社の起業について、事務的な手続き方法並びに、具体的な立ち上げ方をお話ししてきました。ぜひ、自分の思いを込めた会社を育てていただきたいと思います。

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました