古美術で漆器に使われる螺鈿(らでん)の魅力について

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螺鈿は漆芸の加飾技法のひとつ

漆塗りの古美術で、重箱や小物入れ、または、花器や壺などを飾るための飾り台などに螺鈿の装飾を施してあるものがしばしば見られます。

螺鈿とは、漆芸装飾技法のひとつで、貝をいろいろな大きさに切って、さらにそれを半透明になるくらいまで薄く磨いて、漆器の表面に貼り付けるか、または埋め込むことを言います。

虹色に輝く貝の内側を利用して、それを薄くなるまで磨き、さらに細かく切った小片をつなぎ合わせて絵柄を作っていきます。

材料となる貝は、夜光貝、アワビ貝、蝶貝などが使われます。貝殻の内側は、見る角度によって光の反射が異なり、七色に光ります。螺鈿は、その美しさを活かしているのです。

螺鈿の起源

螺鈿は古くは、エジプトの初期王朝の遺品からも出ており、非常に古くから使われていた技法です。日本には奈良時代、平安時代に伝わって、盛んに使われるようになったようです。

飾り台の螺鈿

花器や壺、大皿などを飾る際の台には、螺鈿で装飾を施したものが多く有ります

下の最初の写真の飾り台は、黒漆を塗った後、装飾のすべてが螺鈿で行われているものです。人や花の絵柄を、貝を切って描いていくので、相当な手間がかかっているものです。

二番目の写真は、別の飾り台ですが、螺鈿で文字を描いています。

重箱や日用品に使われる螺鈿

重箱に螺鈿が使われていることも多いのですが、重箱に描くときは、螺鈿と蒔絵の組み合わせとなることが多いようです。

下の写真は、菓子重ですから、おかずなどを入れる重箱よりは、ちょっと小ぶりな重箱になります。

その下の写真は、火鉢です。要するに、炭を燃やす冬の暖房器具です。漆塗りを施した後、金蒔絵と螺鈿の組み合わせが美しいです。螺鈿で使われる貝は、きらきらと輝きますが、貝によって、桜色やそのほかの様々な色に輝くので、花の部分に使われることも多いのです。

螺鈿の美しさを引き出す職人技

貝殻は、一つとして同じものは有りません。その貝殻を、切り抜いて磨き上げ、宝石のような美しさを引き出しています。

熟練の職人にしかできない技法の螺鈿。螺鈿と蒔絵を組み合わせた装飾品は、国宝に指定されているものも有るほどです。 螺鈿の技術は現代にも受け継がれています。輪島塗など、日本の代表的な漆塗りの産地を訪れた折には、螺鈿を施した商品を、ぜひお手に取ってみていただきたいと思います。

なお、漆塗り全般につきましては、別のブログで、「漆塗り漆器の楽しみ方、魅力について」の方に詳しく書いていますので、ご覧いただければと思います。

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