うつ病発症と療養を助ける社会保険制度

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うつ病発症直後の症状

私は現在、うつ病の治療中で、薬を飲み始めて、3年半が過ぎました。

うつ病は、一番最初が最も重症、というケースが多いだろうと思います。
私の場合も、うつ病を発症した当初が、最もつらい日々でした。
頭痛や身体のしびれなどの症状が出て、しかも、頭の中は、何も考えることができませんでした。

例えば、仕事をする場合、これをやって次にこれをやって、途中にこういう仕事を挟んで、みたいな段取りを常に考えているものですよね。まあ、考えているというよりは、自然に身についていると言ったほうが良いかもしれません。
しかし、うつ病になると、脳が、物事を組み立てて考えることを拒否してしまいます。しかも、具合悪いながらもなんとかしなくちゃ、みたいな気持ちは一切わいてきません。そうなると、もはや、寝ているしかない、ということになります。

つまり、「時間は勝手に流れていくんだろうな、自分とは関係なく」みたいな感覚です。

ですから、仕事を休んで寝ているところに、私の仕事を代わりにやってくれている同僚から、「これはどうなっているの?」みたいな仕事の問い合わせの電話が来たりすると、イラっとするわけです。本来であれば私の代わりに苦労してくれているので、まずは感謝を伝えて、仕事の問い合わせには、出来るだけ丁寧に回答すべき場面だと思いますが、うつ病真っ最中の私には、そういう配慮がまったくできなくなっていました。

実際、発症から1カ月くらいは、食欲は出ないし、風呂に入るのも無理でした

初期の回復過程

この状態がしばらく続いた後、2カ月くらいたってくると、だんだんと薬が効いてきて、少しは何かできるかな、という気持ちが出てきます。

風呂にも入れず、身体を拭く程度で過ごしていたものが、具合の良い日は、シャワーを浴びるくらいまでできるようになってきました。

食事も、朝はまったく食べられずにお茶を1杯飲んでいただけだったのですが、フルグラやオートミールに牛乳をかけて食べるようになりました。

うつ病以前は、朝は食パンをトーストして食べていたのですが、食パンは口の中の水分が無くなってしまってパンがのどに詰まりそうな気がして、食べられなくなりました。

復職してみて分かったこと

うつ病以前からの懸案事項を進めるために、復職しなければという気持ちになるのですが、簡単に元の状態には戻れませんでした。まず、思考回路が思うように働きません。それにパソコン作業などをしていると、すぐに疲れて、頭痛やめまいが襲ってきます。
頭を使う仕事をした後の疲労感はとても大きく、発症前とはまったく違っていました。

そしてその後、徐々にですが、仕事のことも、少しずつ考えられるようになって行きました。発病によって投げ出してしまった仕事が気になってくるようになります。

ただ、長い時間仕事のことを考えるのはまだ無理です。

3ヶ月、4カ月と過ぎていくうちに、そろそろ仕事に復帰できるかなという気がしてきます。

ただし、ずっと仕事をしていませんし、発症前のように仕事をこなせるかどうかも不安です。

私の場合は、うつ病発症前からお客様と打ち合わせしていた案件が有り、体調が良ければ、そろそろやってくれないか、という連絡をいただいたことが、復職のきっかけでした。

最初は、1日仕事をしたら次の日はお休み。そして、しばらくそのペースで働いて、その後、2日仕事をして1日休む、次は3日働いて1日休み、という風にして、少しずつ仕事量を増やしていきました。そして、最終的には、5日連続で働いて2日休む。こうなれば、一応、普通に戻ったと言えるわけです。

私が、とりあえず残業は無しで、5日働いて2日休むという形に持って行けたのは、発症から8カ月目に入ったころでした。

形としては普通に戻ったように見えますが、まだ、とても疲れやすい状態でしたし、決定的に発症前と異なることは、思考能力が格段に落ちているということでした。記憶力もだいぶ悪くなっているようでした

生活をサポートしてくれる社会保険の制度

発病してしばらくは、仕事が手につかない状態となるのですが、ここで慌てて退職をしてしまわないことです。サラリーマンで社会保険に入っている人であれば、健康保険から傷病手当金が支給されます。これは賞与を含まない月額給料の3分の2が支給されます。期間は、最長で1年半支給されますので、きちんと療養してから仕事復帰することが可能になります。

また、医療費についても、うつ病の場合は、自立支援医療費制度というものが有り、申請すると、医療費が1割負担で済むという制度が有ります。

このように、うつ病で長期休暇が必要になっても、生活を支援してくれる制度が有りますので、仕事が出来そうもないから退職するという短絡的な考えにならないことが大切です

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