銀山温泉で大正ロマンに浸りきる旅

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山形県の温泉の中でも、最も予約が取りにくいと言われる温泉が「銀山温泉」です。
銀山温泉の一番の人気の秘訣は、大正ロマンを感じさせる、その景観です。

景観が人の心を引き付ける銀山温泉

全国各地に温泉街が有りますが、近年は温泉ブームが下火になったことと、会社の社員旅行の自粛ムードの中で、廃墟となった温泉宿も珍しくなくなりました。

ところが、銀山温泉は、予約が取れない宿として、有名になるほど、高い人気を誇っています。外国からの観光客にも人気が高かったのですが、コロナの影響で外国からの観光客がめっきり少なくなってしまった時でも、国内からのお客で賑わっていました。

銀山温泉の旅館は、全部で12軒で、それほど多くは有りません。どの旅館も、大正から昭和初期に建てられた、木造多層建築となっています。当時のまま保存された建物が、いかにも大正ロマンを思い起こさせる風景を形作っているのです。

特に1~2月の銀山温泉はとても人気が高く、かなり早い時期に予約しないと、なかなか宿の予約は取れません。

最初にお話ししましたが、銀山温泉は、他では見ることが出来ない景観が人々の気持ちを引き付けているのです。

銀山温泉

1~2月の雪の季節には、銀山川の両岸に、大正から昭和初期に建てられたという独特の建築の旅館と、街並みに備えられたガス灯のオレンジ色の光が相まって、そこに積もった白い雪と、舞い落ちる雪がマッチして、まるで大正時代の物語の世界に迷い込んだかのような気分にさせられます。風景そのものが、まるで一枚の絵画のような趣きです。

そんな景観に引かれて、インスタ映えを狙った観光客が大勢訪れるという訳です。

ガス灯

大正ロマンを守り抜いた戦略

高い人気を誇る銀山温泉のその背景には、尾花沢市が街を挙げて取り組んだ戦略が有りました。
尾花沢市では、大正ロマンの風情ある旅館を保存して、観光客の取り込みに活かすべく、昭和61年に、「銀山温泉家並保存条例」を制定しました。

銀山温泉の地域は、日本でも有数の豪雪地帯なのですが、歩道の下に地下水を流して、融雪するシステムを作ったり、電線を地下に通して、視界から電柱を無くしたりしました。
観光客が安心して楽しめる環境を整えたという訳です。

さらに、温泉街には一般車両の出入りを禁止し、営業車両も限られた時間だけ入れるようになっています。

このようにして、風情ある建物を保存しつつ、その周辺の景観も守っていくという取り組みが今の銀山温泉の景観人気を作っているのです。

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冬に銀山温泉を訪れる苦労

銀山温泉が有る尾花沢市は、周辺の米沢市や置賜地区と同様に、日本有数の豪雪地域です。
ですから、冬に銀山温泉を訪れるには、ちょっとした苦労が有ることは間違いないです。

まず、車で行くことはお勧めできません。温泉街に入る手前に、共同駐車場や、各旅館専用駐車場が有るのですが、冬は積雪がすごく、それらの駐車場は除雪が出来ずに使えません。

どうしても冬に車で訪れたいという人は、約1.6キロメートルほど離れたところに有る「大正ろまん館」の駐車場に車を止めて、大正ろまん館近くのバス停から、地域で運行している公共のバスに乗って銀山温泉に向かうことになります。

冬の銀山温泉へのお勧めの行き方

冬に銀山温泉を訪れる場合、一番のお勧めは、山形新幹線を使うことでしょう。東京発の場合の山形新幹線は、福島駅までは東北新幹線と同じ線路を走り、福島駅から分岐して、山形や米沢を通って、終点は新庄駅となる路線です。

東京駅を出発する場合、山形新幹線に乗っておよそ3時間で、最寄り駅である、大石田駅に到着します。乗り換えも有りません。大石田駅は、山形新幹線の終点である新庄駅の一つ手前の駅となっています。

大石田駅からは銀山温泉へ向かう路線バスの「はながさバス」が出ているので、それに乗って、およそ40分で到着します。

旅館に宿泊予約をしているのであれば、旅館のマイクロバスが大石田駅まで迎えに来てくれるので、宿泊される方は、旅館に確認してみましょう。

この行き方が、一番雪に影響されない行き方でしょう。

冬の銀山温泉は、たどり着くまでに豪雪という苦労が有るのに、それでも冬が一番人気なのですから、それほど冬の銀山温泉の景色は人気が高いということです。
一生のうちに一度は見ておきたい景色だと言えるのではないでしょうか。

夕暮れ時からは写真撮影タイム

冬の銀山温泉を訪れる大きな目的は、インスタ映え間違いなしの写真撮影でしょう。

旅館の方でも、写真撮影がしやすいようにと考えてくれています。まず、寒くないように、厚いコートを無料で貸してくれますし、傘や長靴なども借りることが可能です。日が落ちてガス灯がともり始める時間になると、多くの宿泊客が外に出て、写真を撮っています。

銀山温泉 雪景色

雪が降っているときは、フラッシュをたくと、雪の粒が写真に写って、その向こうに風情ある温泉宿の並びが写る写真が撮れるので、あちこちから、フラッシュの光が見えてきます。

食事は山形牛を堪能

たいていの旅館の夕食には、山形牛が並びます。夏は暑く、冬は寒いという山型の気候の中で育った黒毛和牛は、肉のきめが細かく、そのおいしさには定評が有ります。

銀山温泉に来たら、食べ物の楽しみの一番は、やはり山形牛だと言えるでしょう。

春から秋にかけての銀山温泉の楽しみ方

冬の景色の美しさから、銀山温泉は冬が一番人気というお話をしましたが、春から秋にかけての銀山温泉は、冬とは違う楽しみ方が出来ます。

冬は、温泉街のはずれから先は通行止めで行けないのですが、雪が解けると、温泉街のはずれまで行くと、白銀の滝と名付けられた勢いのある滝が見られます。さらにその先へ登って行くと、もう一つ籟音の滝を見ることが出来ます。

山道が得意な人は、もっと奥まで進むと、江戸時代に銀を採掘していた、延沢銀山の坑道の入り口を見ることが出来ます。

白銀の滝

これらは、冬の間は積雪によって見ることが出来ないものなので、雪が解けてからの楽しみと言えます。

また、温泉宿の前の歩道には、いくつかの足湯が作られています。冬でも足湯に入れるのですが、やはり入りやすいのは、雪解け以降の季節でしょう。

足湯

車で行ける銀山温泉

春の雪解け以降は、車で行きやすくなります。銀山温泉の旅館街には車では入れないのですが、旅館街の入り口手前に、公共の駐車場が有りますし、各旅館の駐車場も有ります。
銀山温泉の近くにはいろんな観光スポットが有りますので、車で行けば時間を気にすることなく、自由に寄り道が出来ます。

米沢に足を伸ばせば、上杉謙信を祀る上杉神社が有ります。荘厳な構えは、なかなか見ごたえが有ります。また、 蔵王まで足を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。ロープウェーから見る蔵王の自然は、圧巻です。
元気のある人は、ハイキングコースを歩いてみれば、マイナスイオンたっぷりの森林浴が楽しめるでしょう。

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